ルイージの頬には最早、涙など伝ってはいなかった。
あの主催者は全員をこのゲームに参加させる為に、デイジー姫を殺した。
勿論あの少年に、殺意を抱いた。出来れば、あの光景を見た全員の前で、同じ目に合わせてやりたかった。
…だが、『一つだけどんな願いでも叶える』。
これを実行するには優勝しなくてはいけない。
デイジー姫を生き返らせることの出来る唯一の希望の光。
ルイージの今の心に、道徳と言うものがあっただろうか。
もうルイージでなくとも、分かる。
優勝すると言うことはゲームに乗り、兄やピーチ姫も手にかけると言うことを。
もう自分の手を血で汚す覚悟は出来ていた―いや、もうデイジー姫の血で汚れていただろう。
どんな叫びが聞こえようとも。
どんな苦しみを与えようとも。
そして人の命を奪おうとも。
それにルイージの心に、人を自由に蹂躙する加虐的な喜びが潜んでいたことは否めない。
「そうだ、僕は昔から兄さんの2番だった。どんな時だって兄さんが先で、僕が次だった。」
今、自分は果てしなき大海原が見える草原に居る。
そう。自分は存在している。――何の為に?
自分は望んで兄を支えるために生まれたのではない。自分だって、1番になりたい。
ルイージはネガティブな自分を捨てた。こんなチャンスはめったに無い。兄を殺せるチャンス。
それはルイージのかりそめの自分を、打ち砕いた。
ルイージはザックに入っている持ち物を確認すると、中には朱色の槍が入っていた。
鋭い形状で殺傷能力は見た目だけでも十分認められるだろう。
丁度ルイージと同じぐらいの大きさだ。それに見た目よりは軽く、扱いやすい。
「デイジー姫。待っていてください。」
もうルイージには人道という道は無かった。
そして、修羅の道を歩み始める。
【名前:ルイージ・マリオ(スーパーマリオシリーズ)
健康状態:良好 狂気
武装:キラーランス(ファイアーエムブレム)
所持品:支給品一式
現在位置:K5 エリア11の草原
第一行動方針:マリオ優先で人を捜し、殺す。
基本行動方針:皆殺し
最終行動方針:優勝してデイジーを生き返らせる
備考:無し】